911テロ事件特集

--哲学クロニクル・スペシャル--



作成:中山 元

更新:2002年1月10日

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発言
――米同時多発テロと23人の思想家たち

編訳 中山元

四六判・並製248頁
本体価格 1600円+税
ISBN4-255-00141-3

だれもが考え抜くべきこと/思考のレッスンのために

……だれも無実ではない。(J・デリダ)
……ビンラディンはアメリカ大統領の暗い分身だ(A・ロイ)


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世界の論調

日付 タイトル(哲学クロニクル掲載号) 筆者 出典 関連テクスト
9/11 豊かな国が逃れることのできない罠(1)|(2) サスキア・サッセン WEBページ9/11 足立眞里子訳、『これは戦争か』P.36-39
9/12 これまで以上に平和への準備を ジャック・アタリ フィガロ9/13  
9/13 エロストラート症候群(中山 元訳201号) アンドレ・グリュックスマン フィガロ9/14  
アメリカは世界でもっとも憎まれる国になる(中山 元訳219号) ノーマン・メイラー タイムズ10/13  
9/14 現実という砂漠にようこそ(中山 元訳、210号)(1),(2) スラヴォイ・ジジェク WEBページ 独訳|「現実界の砂漠にようこそ!」村山敏勝訳、『これは戦争か』P.10-24|「現実という砂漠にようこそ」(中山 元訳)『発言』所収
政治的なイスラム主義から軍事的なイスラム主義へ(中山 元訳、218号) アラン・トゥレーヌ リベラシオン9/14  
9/15 この事件はなぜおきたか イマヌエル・ウォーラーステイン WEBページ 「2001年9月11日--なぜ?」山下範久訳『これは戦争か』P.30-33
アメリカの「例外主義」の終焉 フランシス・フクヤマ ファイナンシャル・タイムズ9/15日号 「アメリカの例外的な立場」の終わり、末廣幹訳『これは戦争か』P.25-29
宗教に誤誘導されたミサイル リチャード・ドーキンス ガーディアン9/15日号  
豊かな国が逃れることのできない罠(1)| (2)(中山 元訳、227/228号) サスキア・サッセン Nettime archive 足立真理子訳、『これは戦争か』p.36-46
9/16 西洋とイスラムの対立ではなく……(中山 元訳、204/205号)(1)(2) エドワード・サイード ガーディアン 「西洋とイスラムの対立ではなく」(中山 元訳)『発言』所収
これは予言ではない 柄谷行人 批評空間  
怖いのは連鎖反応だ…… ジェームズ・シュレジンガー フィガロ9月16日  
9/17 民主主義はどこに(中山 元訳、199号) スーザン・ソンタグ ニューヨーカー9/24号 原文|レプブリカ(伊訳)
軍国化が進むアメリカ(中山 元訳、231号) リチャード・ローティ ツァイト66号 「軍事国家アメリカ」(中山 元訳)『発言』所収
文明の衝突ではない、少なくともまだ…(中山 元訳、198号) サミュエル・ハンチントン ツァイト66号 「文明の衝突ではない、少なくともまだ…」(中山 元訳)『発言』所収
すべての差異の消滅 セイラ・ベンハビブ ツァイト66号  
新たなベトナム戦争時代の到来 リチャード・セネット ガーデイアン  
テロから黙示録へ(中山 元訳、224号) ポール・ヴィリリオ レートル・インテルシオナル10/1日号  
9/18 空虚な倫理 ジグムント・バウマン ツァイト39号  
社会のテロ ペーター・フックス taz,9-18  
9/19 米同時多発テロと日本 山内昌之 毎日新聞  
悪循環を避ける道(中山 元訳、200号) ノーム・チョムスキー WEBページ  
連続テロに対する報復戦争の国際法的な正当性は成り立たない 加藤尚武 WEBページ  
反グローバリゼンーション運動のジレンマ クリスティアン・ロッソン リベラシオン10月9日  
9/20 秘密の共犯関係(中山 元訳、207号) ジョルジォ・アガンベン フランクフルター・アルゲマイネ、9/20号 「秘密の共犯関係」(中山 元訳)『発言』所収
21世紀の幕をあけたテロ エリック・ホブズボーム リベラシオン、9/20号  
予測が実現して残念だ(中山 元訳、214号) ポール・ヴィリリオ フランクフルター・アルゲマイネ、9/20号 「予測が的中して残念だ」(中山 元訳)『発言』所収
米国の勝利を恐れよ イマヌエル・ウォーラーステイン WEBページ 「注意! 米国は勝ってしまうかもしれない」山下範久訳『これは戦争か』P.34-35
イメージの力 ジョージ・ライコフ エッジ90号 『Septmber 11, 2001』梅木達郎訳、『これは戦争か』p.47-57
自己防衛の権利 フレデリック・フォーサイス FAZ 9/20  
9/21 摩天楼の時代の終焉終わりなき戦争 ウンベルト・エーコ フランクフルター・ルントシャオ9/21  
襲撃の意味 ノアム・チョムスキー WEBページ  
9/22 連帯のグローバリゼーション ダニエル・コーン=バンディ taz9/22  
隠蔽される死者のイメージ マルク・フェロ リベラシオン9/23-24  
報復のダブル・スタンダード ノアム・チョムスキー WEBページ 「報復」のダブルスタンダード、本橋哲也訳『これは戦争か』p.40-46
9/23 テロと原理主義 養老孟司 毎日新聞9/23  
9/24 ヨーロッパ独自の声(中山 元訳、202号) ジャック・デリダ ディ・ヴェルト9/24 「限りない悲しみを感じています」松葉祥一訳、『これは戦争か』p.8-9
だれも無実ではない(中山 元訳、215号) ジャック・デリダ 南ドイツ新聞 「だれも無実ではない」(中山 元訳)『発言』所収
9/25 憎悪でも報復でもなく ヘルムート・シュミット ツァイト40号  
不安になるのです…… ハンス・ゲオルク・ガーダマー ディ・ヴェルト9/25日 邦訳
9/26 テロリストたちの動機 クリストファー・ヒッンチンス ガーディアン9月26日号  
9/27 この悲劇を生かす道(中山 元訳、209号) ジャック・アタリ レクスプレス誌9月27日号  
まったく新しい戦争(中山 元訳、208号) ラムズフェルド国防長官 ニューヨークタイムズ 原文|「まったく新しい戦争」(中山 元訳)『発言』所収
9/28 テロは再び起こるだろう アンドレ・グリュックスマン ディ・ヴェルト9月28日号 「妖怪が世界をさまよう……」(中山 元訳)『発言』所収、フランス語オリジナルから翻訳
9/29 さて、これからどうなる ノアム・チョムスキー WEBページ ニュージーランド・ラジオのインタビュー
無限の正義の算術 アルンダティ・ロイ(1)|(2)|(3)|(4) ガーデイアン 「無限の正義」の算術(中山 元訳)『発言』所収
9月 「敵」の出現 イニャシオ・ラモネ ル・モンド・ディプロマティーク10月号  
ムスリムとして、世界市民として ヒシャム・ビン・アブダラ・エル・アラウィー ル・モンド・ディプロマティーク10月号  
だれもがみなアメリカ人 セルジュ・アリミ ル・モンド・ディプロマティーク10月号  
南へは、金か爆弾か サスキア・サッセン ル・モンド・ディプロマティーク10月号  
10/1 結果はまったく予測できない イマヌエル・ウォーラーステイン WEBページ  
10/3 反動とその修正 エドワード・サイード アル・アハラム553号 邦訳
根拠づけられないテロル モニク・カントスペルベ ル・モンド10月3日  
ドルのタリバンと石油のタリバン アントニオ・ネグリ ル・モンド10月3日 ドルのタリバンと石油のタリバン(中山 元訳)『発言』所収
10/4 無知の衝突 エドワード・サイード ザ・ネーション10月22日 独訳、ディ・ヴェルト|邦訳
市民の自由か安全か(中山 元訳、216号) リチャード・ローティ ロンドン・レヴュー・オブ・ブックスvol.23-19  
壊された鏡 テリー・イーグルトン ロンドン・レヴュー・オブ・ブックスvol.23-19  
10/5 西洋の「優越」について ウンベルト・エーコ レプブリカ10月5日 ル・モンド10月10日(仏訳)|ガーディアン10/13|シュピーゲル(独訳)|邦訳
10/6 無関心が生んだアフガンの悲劇 緒方貞子 朝日新聞10月6日  
日常生活に戻ろう サルマン・ラシュディ ガーディアン10/6 日常の生活に戻ろう(中山 元訳)『発言』所収
10/7 「正義の報復は我々の首を絞める」 上田 紀行 サンデー毎日10月7日  
10/8 アメリカの罪、そしてヨーロッパの… アラン・フィンケルクロート ル・モンド10月8日 「左翼的思考の敗北」(中山 元訳)『発言』所収
10/9 テロは弱者の暴力 ジル・ケペル ツァイト42号  
他なるグローバリゼーション、(1) | (2)(中山 元訳、225/230号) 七名の専門家の見解 リベラシオン10月9日  
10/10 人はどのようにしてテロリストになるか ジュリア・クリステヴァ taz10月10日  
10/11 アメリカがイスラム世界を挑発したわけではない スーザン・ソンタグ FAZ10月11日号  
まだ歴史は終焉したままだ(中山 元訳、220号) フランシス・フクヤマ ガーディアン10月11日 WSJ10/11|インディペンデント・ニューズ10/11|ル・モンド10/17|「西洋の勝利」(中山 元訳)『発言』所収
10/12 イメージなき戦争--ボードリヤールとヴィリリオ再発見 ヨーヘン・フェルスター ディ・ヴェルト10月12日号  
10/13 テロで潰えたサイードの望み スタンリー・カーツ ウィークリー・スンダード10月22日号  
10/15 信仰と知識--平和賞受賞演説 ユルゲン・ハーバーマス ディ・ヴェルト10月15日号 邦訳|「宗教の声に耳を傾けよう」(中山 元訳)『発言』所収
超大国のジレンマ イマヌエル・ウォラーステイン WEBページ  
10/17 この戦争はすでに負けている ジョン・ルカレ FAZ10月17日号 ル・モンド10/17
村上春樹がベルリン文学会議の出席をとりやめたわけ トマス・ザインフェルト 南ドイツ新聞10月17日号  
問題なのは宗教ではない ボリス・グロイス TAZ10月17日号  
10/18 グローバリゼーションの逆説--『帝国』をめぐって マルティン・ハルトマン フランクフルター・ルントシャオ10月18日号  
グローバリゼーションの罠 ヨハネス・ヴィルムス 南ドイツ新聞10月18日号  
テロとの新しい戦い ノアム・チョムスキー WEBページ MIT講演
10/20 危険な空虚 サスキア・サッセン 南ドイツ新聞10月20日号 「複数のグローバリゼーション」(中山 元訳)『発言』所収
10/22 アメリカへの懸念 MARTIN KAMPCHEN FAZ10/22  
10/23 きれいはきたない、戦争は平和だ Arundhati Roy ガーディアン10/23  
911テロをめぐる対談 Jean-Francois Revel et Edgar Morin Le temps 10/23  
反理性主義の極み ピエール・ルジャンドル ル・モンド10/23 「反理性主義の極み」(中山 元訳)『発言』所収
爆撃のほかに道はある タリク・アリ 南ドイツ新聞0/23 「爆撃のほかに道はある」(中山 元訳)『発言』所収
10/24 パパ、イスラムってなあに タハール・ベン・ジェルーン フランクフルター・ルントシャオ10/24 パパ、イスラムってなあに(中山 元訳)『発言』所収
10/28 北京にて、その翌日 オギュスタン・ベルク 書き下ろし 北京にて、その翌日(中山 元訳)『発言』所収
11/2 新しい可能性 KHBカール・ハインツ・ボーラー MERKUR  
11/6 『ジハードとマックワールド』の著者の忙しい日々 Megan Rosenfeld Washington Post 11/6  
ハンティントンの文明の衝突論 Patrick Healy Boston Globe 11/6  
地球的な規模のミメーシス的な競争 ルネ・ジラール ル・モンド11/6 地球的な規模のミメーシス的な競争(中山 元訳)『発言』所収
11/8 新しい世界像の必要性 ベンジャミン・バーバー Zeit 46号  
11/10 腐敗の原則 タリク・アリ SZ 11/10  
11/17 近代テロの指標 ペーター・スローターダイク フランクフルター・ルントシャオ11/17 近代テロの指標(中山 元訳)『発言』所収
11/21 イスラム原理主義が興隆した背景 ピエール・ブルデュー フランクフルター・ルントシャオ11/21 イスラム原理主義が興隆した背景(中山 元訳)『発言』所収



Since 2001/10/11
911テロ事件を追う(中山 元)

アーカイブ

報復と自衛の論理(2001年11月6日更新)

■核兵器
ところでビンラディンが核兵器をもっているといううわさが流れている。ことの発端はイスラエルの雑誌Jerusalem Reportで、ビンラディンが「スーツケース入りの」核兵器を所有しているというニュースが流れたことだ(文書8)。チェチェンからアフガンのヘロインと交換に購入したとまことしやかだ(笑)。ひとつで10万人を殺害できるという。ガセねたである可能性が高いようだが、本人は喜んで所有したいらしい(文書9)[10/10記]

しかしこれよりも気になるのは、アメリカ政府筋では、ミニ核兵器の利用をひそかに検討しているといううわさだ(文書10)。これはミニ核兵器B61-11で、F16戦闘機でも投下でき、うまく使えば地下数百メートルまで破壊できるというから、まさにアフガン向けの兵器なのだ。この兵器はアメリカが核軍縮条約に違反しながら1989年に開発したものだという(文書11)。アメリカ政府はこの兵器は地下施設を破壊するだけで、住民に被害はないと能天気なことを言っているらしい。圧倒的な国民の支持と人気を背景に、近隣地域の住民の汚染を考えずに核攻撃をしたりしないことを願いたい。[10/10記]

10月11日の夕刊各紙によると、アメリカ軍は地下にまで破壊力を及ぼす「特殊兵器」でアフガニスタンを攻撃したという。バンカー・バスターGBU28というものだが、これはイラン攻撃の際に使われたものだという(文書12)。しかしB61-11もまた「バンカー・バスター」という名前で呼ばれていたのだった……。なお10月12日のHotwiredもこのコラムとほぼ同じ内容の記事を掲載した(文書12a)。[10/13記]

またタイム紙によると(文書15)、26日のイギリス軍のアフガニスタン展開をきっかけとしたブリーフィングで、ビンラディンが小型核兵器をパキスタンから取得した可能性があることが説明されたという。もっともブレア首相は「とっても懐疑的」らしい。[10/27記]
■攻撃反対デモ

パリでは10月11日に、アメリカ軍の攻撃に反対するデモが催された。これは共産党、緑の党、フェミニズム団体などが「戦争の論理に反対する」ために開催したもので、3000名が参加して、「世論の一部には、アメリカの利益を守ることに無制約に加担してしまうことに反対していることを政府に伝えるには役立つ」という(文書13)。リヨン、マルセイユ、モンペリエなどでもデモが行われているらしい。異論の存在を行動で示すこうした活動は貴重だろう。この催しを主催した団体のひとつの税金問題組織ATTACのピエール・タルタコウスキーは、この「報復の根拠はあるが、合法的ではない」(文書14)と指摘している。この攻撃が短期的に成功するという保証はないし、「中期的または長期的にみると、この攻撃はテロリズムをぎゃくに育てることになり、世界の構造を二つの極に対立させる論理のうちにはめこんでしまうことになりかねない」と述べているが、この考え方はごくまっとうなものではないか。[10/12記]

また、反戦デモとは別に、アメリカではテロ事件の議論が厳しく制約されているようだ。11/2の朝日新聞の夕刊によると、アメリカのウエストヴァージニア州の高校で、アフガン攻撃に反対する反戦クラブを組織しようとした女子高校生が、停学処分を受けている。取り消し訴訟も敗訴したようだ。なんとおとなげない。大学での知識人による議論も困難なようだ。学問の自由を求めるアピールが出されるほどらしい。サイードも署名しているアピールを読もう。[11/6記]


文書8:ビンラディン、複数のスーツケース核兵器を保有
文書9:ビンラディンははたして核兵器を所有しているか
文書10:空からの核攻撃
文書11:B61-11の懸念と背景
文書12:アメリカ軍、スーパー爆弾を利用(AFP)
文書12a:米国は地表貫通型核爆弾をアフガニスタンに投下するか?
文書13:パリで反戦デモ
文書14:報復の根拠はあるが、合法的ではない(ピエール・タルタコウスキー)
文書15:ビンラディンの核兵器の脅威

テロとインターネット(2001年10月27日更新)

■記録媒体としてのインターネット
前回の湾岸戦争のときとは異なり、今回はインターネットがフルに事件の記録に利用されることになるようだ。Internet Archive(サイト2)では、1996年から現在までのWEBの歴史的な記録を40テラバイトもの量で保存しているほか、2000年のアメリカ大統領選挙についても、2テラバイトの巨大なアーカイブを擁している。今回はInternet Archiveは事件の記録には携わらず、Internet Archiveや議会図書館との提携で、webArchivist.org(サイト3)が事件の記録を担当するようだ。サーファーに対して、記録する価値のあるページを推薦することを要請しており、そのためのプログラムまで用意しているのが面白い。

実際の記録に関しては、Pointer.org(サイト4)がフロントページの一覧のギャラリーを作成しているほか、インターネットでこの事件がどう報道されかを克明にフォローしている。またインターネットとジャーナリズムの連携に重点をおいて活動している Interactive Publishing(サイト5)でも、事件を報じた世界各地の新聞のフロントページの一覧ページを作成している。また新聞別に呼び出すこともできる。なかなか圧巻だ。まだまだあるだろうが、もうひとつ動画ファイルを集めているサイトを紹介しておこう。Daily online journal by Paul Nixon(サイト6)というから、ニクソン氏という個人の日刊新聞(笑)サイトのようだ。個人でこれだけ集めているのは、なかなかすごい[10/10記]。

10月11日、事件から一月を経過して、Internet Archiveに911事件の膨大な記録が公開された(サイト2a)。現在の時点で5テラバイトのリソースがある。ここではまず手始めに、政府関連の記録文書、過去一ヶ月の世界のさまざまな新聞・雑誌の毎日の記録が公開されている。アジアや中東などの各地の主要な新聞が網羅的に記録されていて、日にちを指定して、画面を読むことができる。事件の後にアメリカ人はインターネットをどのように使ったかなどの分析レポートもアップされた。ルモンドに紹介された記事によると、このアーカイブは将来の研究者の資料となるとともに、現在の読者がこの事件を理解するための手がかりを提供し、この事件を記憶するためのシンボルとなるものだという(文書8)[10/14記]。

またサンフランシスコの非営利団体が、この出来事のテレビ放映を記録するサイトを発表した(サイト7)。事件直後のものなど、複数のテレビ報道をみることができる。著作権をカバーするために、なかなか苦労しているようだ。また、当時の目撃の証言など、ビデオ・インタビューを集めたサイトGround Zero(サイト8)があり、生々しい感想を聞くことができる。[10/20記]


文書8:10月11日に公開された911事件アーカイブ
サイト2:Internet Archive
サイト2a:The September 11 Web Archive
サイト3:webArchivist.org
サイト4:Pointer.org
サイト5:Interactive Publishing
サイト6:Nixonlog
サイト7:Television Archive
サイト8:Ground Zero

■テロリズム・リソース
911テロ事件の後、インターネットでのテロリズムのリソースが充実してきた。アメリカ政府の国家安全保障文書局(NSA)では、「911ソースブック」と題して、「テロリズムとオサマ・ビンラディン、議会研究サービスの報告書、GAP報告書、国防省の命令、指示、声明、大統領命令と行政命令」の5つの分類で、詳細な文書を発表している。PDFファイルで読める(サイト1)。またPublic Agenda Onlineでは、911事件とその影響を分析する詳細なサイトを作成している(サイト2)。世論調査の結果や事実ファイルが掲載されているほか、テロ、飛行機の安全性、緊急管理、国債関係、アフガニスタン、イスラム、アメリカにすむアラブ人などについてのリソース・リンクも役立つだろう。雑誌Foreign Affairsでは、テロリズムに関してこれまで発表された10件の記事と、13件の書評をまとめて発表している(サイト3)。1998年に発表されたRichard K. Betts氏の「大量破壊の新しい脅威」などは、はずしているところもあるが、啓発的だ[10/13記]。

また法律文書を専門とするThomasが、911事件関連の法律文書をまとめてアーカイブしている(サイト4)。25日に議会を通過した対テロ法案「HR3162: Uniting and Strengthening America by Providing Appropriate Tools Required to Intercept and Obstruct Terrorism (USA PATRIOT ACT) Act of 2001 」も全文がリンクされている。テロ関係で審議されたさまざまな法案も読めるので、アメリカ議会の反応を探るには役立つ。しかし対テロ法案に反対投票した上院議員は、ラス・フェインゴールド議員だけとは。この法案は上下両院を通過したので、大統領が署名して法律として施行されることになった[10/27記]

サイト1:The September 11th Source Books: National Security Archive OnlineReaders on Terrorism, Intelligence and the Next War
サイト2:Public Agenda Special Report: Terrorism
サイト3:The Terrorist Attack on America: Background
サイト4:LEGISLATION RELATED TO THE ATTACK OF SEPTEMBER 11, 2001

■テロとメディア
現代のメディアの世界では、テロの報道は人々のその後の行動を決定する上で、非常に重要な役割を果たしている。メディアがテロをどう報道したか、その後のアメリカの行動を決定する上でどのような機能を果たし、果たし続けているか。この問題をフォローして、考察するためのリソースを集めてみた。まず記録のところであげたテレビ記録サイトの分析記事が参考になる(サイト1)。ヴィリリオが指摘したように、繰り返しテレビ報道された事件は、もはや情報という域を越えてしまう。このサイトの分析記事も「治療的な愛国主義」という言葉を使って考察しているが、テレビが与えた複雑な影響は、プラスとマイナスのさまざまな視点から、考えるべき問題を含んでいる。そのことは、ブッシュ大統領がタリバン側の映像の報道自粛を要請し、テレビ局側がこれを受け入れたことにも示唆されているだろう。また、報道の公正さと正確さをめざす団体FAIRでは、報道とテロの関係を分析した記事を集めている。ブッシュ大統領の人気とテレビの関係の分析など、どれもなかなか読ませる(サイト2)。[10/20記]

サイト1:Television Archive--Analysis and commentary
サイト2:Terrorism