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発言 ――米同時多発テロと23人の思想家たち 編訳 中山元 四六判・並製248頁 本体価格 1600円+税 ISBN4-255-00141-3 だれもが考え抜くべきこと/思考のレッスンのために ……だれも無実ではない。(J・デリダ) ……ビンラディンはアメリカ大統領の暗い分身だ(A・ロイ) お申し込みはアマゾンからなら、送料無料です。 |
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■核兵器 ところでビンラディンが核兵器をもっているといううわさが流れている。ことの発端はイスラエルの雑誌Jerusalem Reportで、ビンラディンが「スーツケース入りの」核兵器を所有しているというニュースが流れたことだ(文書8)。チェチェンからアフガンのヘロインと交換に購入したとまことしやかだ(笑)。ひとつで10万人を殺害できるという。ガセねたである可能性が高いようだが、本人は喜んで所有したいらしい(文書9)[10/10記] しかしこれよりも気になるのは、アメリカ政府筋では、ミニ核兵器の利用をひそかに検討しているといううわさだ(文書10)。これはミニ核兵器B61-11で、F16戦闘機でも投下でき、うまく使えば地下数百メートルまで破壊できるというから、まさにアフガン向けの兵器なのだ。この兵器はアメリカが核軍縮条約に違反しながら1989年に開発したものだという(文書11)。アメリカ政府はこの兵器は地下施設を破壊するだけで、住民に被害はないと能天気なことを言っているらしい。圧倒的な国民の支持と人気を背景に、近隣地域の住民の汚染を考えずに核攻撃をしたりしないことを願いたい。[10/10記] 10月11日の夕刊各紙によると、アメリカ軍は地下にまで破壊力を及ぼす「特殊兵器」でアフガニスタンを攻撃したという。バンカー・バスターGBU28というものだが、これはイラン攻撃の際に使われたものだという(文書12)。しかしB61-11もまた「バンカー・バスター」という名前で呼ばれていたのだった……。なお10月12日のHotwiredもこのコラムとほぼ同じ内容の記事を掲載した(文書12a)。[10/13記] またタイム紙によると(文書15)、26日のイギリス軍のアフガニスタン展開をきっかけとしたブリーフィングで、ビンラディンが小型核兵器をパキスタンから取得した可能性があることが説明されたという。もっともブレア首相は「とっても懐疑的」らしい。[10/27記] ■攻撃反対デモ ![]() パリでは10月11日に、アメリカ軍の攻撃に反対するデモが催された。これは共産党、緑の党、フェミニズム団体などが「戦争の論理に反対する」ために開催したもので、3000名が参加して、「世論の一部には、アメリカの利益を守ることに無制約に加担してしまうことに反対していることを政府に伝えるには役立つ」という(文書13)。リヨン、マルセイユ、モンペリエなどでもデモが行われているらしい。異論の存在を行動で示すこうした活動は貴重だろう。この催しを主催した団体のひとつの税金問題組織ATTACのピエール・タルタコウスキーは、この「報復の根拠はあるが、合法的ではない」(文書14)と指摘している。この攻撃が短期的に成功するという保証はないし、「中期的または長期的にみると、この攻撃はテロリズムをぎゃくに育てることになり、世界の構造を二つの極に対立させる論理のうちにはめこんでしまうことになりかねない」と述べているが、この考え方はごくまっとうなものではないか。[10/12記] また、反戦デモとは別に、アメリカではテロ事件の議論が厳しく制約されているようだ。11/2の朝日新聞の夕刊によると、アメリカのウエストヴァージニア州の高校で、アフガン攻撃に反対する反戦クラブを組織しようとした女子高校生が、停学処分を受けている。取り消し訴訟も敗訴したようだ。なんとおとなげない。大学での知識人による議論も困難なようだ。学問の自由を求めるアピールが出されるほどらしい。サイードも署名しているアピールを読もう。[11/6記] 文書8:ビンラディン、複数のスーツケース核兵器を保有 文書9:ビンラディンははたして核兵器を所有しているか 文書10:空からの核攻撃 文書11:B61-11の懸念と背景 文書12:アメリカ軍、スーパー爆弾を利用(AFP) 文書12a:米国は地表貫通型核爆弾をアフガニスタンに投下するか? 文書13:パリで反戦デモ 文書14:報復の根拠はあるが、合法的ではない(ピエール・タルタコウスキー) 文書15:ビンラディンの核兵器の脅威
■記録媒体としてのインターネット 前回の湾岸戦争のときとは異なり、今回はインターネットがフルに事件の記録に利用されることになるようだ。Internet Archive(サイト2)では、1996年から現在までのWEBの歴史的な記録を40テラバイトもの量で保存しているほか、2000年のアメリカ大統領選挙についても、2テラバイトの巨大なアーカイブを擁している。今回はInternet Archiveは事件の記録には携わらず、Internet Archiveや議会図書館との提携で、webArchivist.org(サイト3)が事件の記録を担当するようだ。サーファーに対して、記録する価値のあるページを推薦することを要請しており、そのためのプログラムまで用意しているのが面白い。 実際の記録に関しては、Pointer.org(サイト4)がフロントページの一覧のギャラリーを作成しているほか、インターネットでこの事件がどう報道されかを克明にフォローしている。またインターネットとジャーナリズムの連携に重点をおいて活動している Interactive Publishing(サイト5)でも、事件を報じた世界各地の新聞のフロントページの一覧ページを作成している。また新聞別に呼び出すこともできる。なかなか圧巻だ。まだまだあるだろうが、もうひとつ動画ファイルを集めているサイトを紹介しておこう。Daily online journal by Paul Nixon(サイト6)というから、ニクソン氏という個人の日刊新聞(笑)サイトのようだ。個人でこれだけ集めているのは、なかなかすごい[10/10記]。 10月11日、事件から一月を経過して、Internet Archiveに911事件の膨大な記録が公開された(サイト2a)。現在の時点で5テラバイトのリソースがある。ここではまず手始めに、政府関連の記録文書、過去一ヶ月の世界のさまざまな新聞・雑誌の毎日の記録が公開されている。アジアや中東などの各地の主要な新聞が網羅的に記録されていて、日にちを指定して、画面を読むことができる。事件の後にアメリカ人はインターネットをどのように使ったかなどの分析レポートもアップされた。ルモンドに紹介された記事によると、このアーカイブは将来の研究者の資料となるとともに、現在の読者がこの事件を理解するための手がかりを提供し、この事件を記憶するためのシンボルとなるものだという(文書8)[10/14記]。 またサンフランシスコの非営利団体が、この出来事のテレビ放映を記録するサイトを発表した(サイト7)。事件直後のものなど、複数のテレビ報道をみることができる。著作権をカバーするために、なかなか苦労しているようだ。また、当時の目撃の証言など、ビデオ・インタビューを集めたサイトGround Zero(サイト8)があり、生々しい感想を聞くことができる。[10/20記] 文書8:10月11日に公開された911事件アーカイブ サイト2:Internet Archive サイト2a:The September 11 Web Archive サイト3:webArchivist.org サイト4:Pointer.org サイト5:Interactive Publishing サイト6:Nixonlog サイト7:Television Archive サイト8:Ground Zero■テロリズム・リソース 911テロ事件の後、インターネットでのテロリズムのリソースが充実してきた。アメリカ政府の国家安全保障文書局(NSA)では、「911ソースブック」と題して、「テロリズムとオサマ・ビンラディン、議会研究サービスの報告書、GAP報告書、国防省の命令、指示、声明、大統領命令と行政命令」の5つの分類で、詳細な文書を発表している。PDFファイルで読める(サイト1)。またPublic Agenda Onlineでは、911事件とその影響を分析する詳細なサイトを作成している(サイト2)。世論調査の結果や事実ファイルが掲載されているほか、テロ、飛行機の安全性、緊急管理、国債関係、アフガニスタン、イスラム、アメリカにすむアラブ人などについてのリソース・リンクも役立つだろう。雑誌Foreign Affairsでは、テロリズムに関してこれまで発表された10件の記事と、13件の書評をまとめて発表している(サイト3)。1998年に発表されたRichard K. Betts氏の「大量破壊の新しい脅威」などは、はずしているところもあるが、啓発的だ[10/13記]。 また法律文書を専門とするThomasが、911事件関連の法律文書をまとめてアーカイブしている(サイト4)。25日に議会を通過した対テロ法案「HR3162: Uniting and Strengthening America by Providing Appropriate Tools Required to Intercept and Obstruct Terrorism (USA PATRIOT ACT) Act of 2001 」も全文がリンクされている。テロ関係で審議されたさまざまな法案も読めるので、アメリカ議会の反応を探るには役立つ。しかし対テロ法案に反対投票した上院議員は、ラス・フェインゴールド議員だけとは。この法案は上下両院を通過したので、大統領が署名して法律として施行されることになった[10/27記] サイト1:The September 11th Source Books: National Security Archive OnlineReaders on Terrorism, Intelligence and the Next War サイト2:Public Agenda Special Report: Terrorism サイト3:The Terrorist Attack on America: Background サイト4:LEGISLATION RELATED TO THE ATTACK OF SEPTEMBER 11, 2001
■テロとメディア |